ロバスト制御†
制御対象に存在するモデル化誤差や不確かさの概念を制御系設計問題に陽に取り入れ,それらに対しロバスト(頑健)になるような制御系を設計するための制御理論をロバスト制御理論と呼ぶ。本講義では,ロバスト制御理論の基礎を以下の順に従って,なるべく平易かつ自己完結になるよう解説する。
教室変更†
7/28(木)は以下の教室で行います。
8:50~10:30
総合研究棟212教室(1階)
期末試験のお知らせ†
日時:8/2(火)10:30~12:00
場所:総合研究棟223教室(2階)
A4用紙1枚(裏表)のみ持ち込み可。
ただし,直筆のみでコピー等は不可。
講義内容†
- イントロダクション
- 線形代数の復習
- 線形動的システムとその表現
- 信号とシステムのノルム
- 内部安定性と制御性能
- 不確かさとロバスト性
- 安定化制御器のパラメトリゼーション
- 代数リッカチ方程式
- H2制御・H∞制御
教科書†
特に定めない。
参考書†
- K.Zhou, J.Doyle, K.Glover(劉 康志,羅 正華 共訳):ロバスト最適制御,コロナ社,1997
- J.C.Doyle, B.A.Francis, A.R.Tannenbaum(藤井隆雄 監訳):フィードバック制御の理論,コロナ社,1996
- 美多 勉:H∞制御,昭晃堂,1994
- 野波・西村・平田:MATLABによる制御系設計,東京電機大学出版局,1998
講義録†
Lecture 11 (2005-07-28)†
- 標準H∞制御の仮定とその意味
- リッカチ方程式と安定化解
- 直行条件が成り立つ場合のH∞制御問題の可解条件
Lecture 10 (2005-07-21)†
- 感度関数に対するロバスト制御性能問題とH∞ノルム条件
- H∞制御と一般化プラント
- 混合感度問題に対する一般化プラント
課題:H∞制御問題||PnW/(1+Pn)||∞<1に対して以下を求めよ。
- 一般化プラントGのブロック線図
- 一般化プラントGの伝達関数行列表現
- 一般化プラントGの状態空間表現。ただし
Pn={Ap,Bp,Cp,0}, W={Aw,Bw,Cw,Dw}とする。
Lecture 9 (2005-06-30)†
- 加法的誤差と乗法的誤差及びモデル集合
- スモールゲイン定理
- 加法的誤差に対するロバスト安定化条件
- 乗法的誤差に対するロバスト安定化条件
Lecture 8 (2005-06-23)†
- 内部安定性のための必要十分条件
- 目標値追従特性と感度関数
- 感度関数と重み関数及びそれらのH∞ノルム条件
- 相補感度関数
- 本日の課題
Lecture 7 (2005-06-16)†
- 伝達関数のノルムと入出力信号のノルムとの関係
- 漸近安定性
- フィードバックループの適切性(well-posedness)
- 内部安定性
Lecture 6 (2005-06-02)†
- H2空間(つづき)とRH2空間
- H2ノルム
- 最大絶対値定理
- パーセバルの定理
- L∞, RL∞,H∞, RH∞空間とH∞ノルム
- 2ノルム,∞ノルムの計算
- 本日の課題
- RH∞上の適当なG(s)に対し,H∞ノルムを計算せよ。
Lecture 5 (2005-05-19)†
- バナッハ空間の例
- ヒルベルト空間の例
- L2(-inf,inf), L2, RL2空間
- H2空間
- 本日の課題
Lecture 4 (2005-05-12)†
- ノルム空間,コーシー列,完備,収束,バナッハ空間
- 内積空間,ヒルベルト空間,直交補空間
- 本日の課題
Lecture 3 (2005-04-28)†
- システムの結合(積)
- 逆伝達関数の状態空間表現
- フィードバック結合
- 線形分数変換
- 本日の課題
- 逆伝達関数の状態空間表現の導出
- Upper LFTの確認
- Lower LFTの状態空間実現
Lecture 2 (2005-04-21)†
- 状態空間実現(復習)
- 加法的誤差,乗法的誤差
- システムの結合
- 本日の課題
Lecture 1 (2005-04-14)†
- ロバスト制御とは
- 制御理論の復習
- 本日の課題
- 質点系の運動方程式,伝達関数,状態方程式
- RC回路の回路方程式,伝達関数,状態方程式
- ラプラス逆変換